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デジタル改革関連法の成立

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<デジタル改革関連法について>

令和3(2021)年3月、内閣官房IT総合戦略室、デジタル改革関連法案準備室、総務省自治行政局は、「デジタル改革関連法案について」の中で、デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針の骨子を次のように示していました。

・デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会 ~誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化~ ・デジタル社会形成の基本原則(1オープン・透明、2公平・倫理、3安全・安心、4継続・安定・強靱、5社会課題の解決、6迅速・柔軟、7包摂・多様性、8浸透、9新たな価値の創造、10飛躍・国際貢献)

<デジタル改革関連法の成立>

政府が提出したデジタル改革関連の6法案が令和3(2021)年5月12日に開かれた参議院本会議で採決され、自民・公明の与党のほか日本維新の会などの賛成多数で可決、成立しました。

成立したのは次の6法です。

1.デジタル社会形成基本法(令和3(2021)年9月1日施行)

デジタル社会の形成に関し、基本理念および施策の基本方針、国、地方公共団体および事業者の責務、デジタル庁の設置並びに重点計画の策定について規定(IT基本法は廃止)

2.デジタル庁設置法(令和3(2021)年9月1日施行)

デジタル社会の形成に関する司令塔として、国の情報システム、地方共通のデジタル基盤、マイナンバー、データ利活用等の業務を強力に推進するデジタル庁を設置

3.デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律(令和3(2021)年9月1日より順次施行)

個人情報関係の3法を統合、国家資格に関する事務へのマイナンバーの利用の範囲を拡大、押印・書面手続の見直し、転入地への転出届に関する情報の事前通知

4.公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座の登録等に関する法律(公布日から2年以内に施行)

緊急時の給付金や児童手当などの公金給付に、登録した口座の利用を可能とする

5.預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律(公布日から3年以内に施行)

相続時や災害時に、預貯金口座の所在を国民が確認できる仕組を創設

6.地方公共団体情報システムの標準化に関する法律(令和3(2021)年9月1日施行)

地方公共団体の基幹系情報システムについて、国が基準を策定し、基準に適合したシステムの利用を求める法的枠組みを構築

<デジタル・ガバメント実行計画の実現>

これらの法律は、デジタル・ガバメント実行計画(令和2(2020)年12月改定)を実現するためのもので、次の内容が示されていました。

1.サービスデザイン・業務改革(BPR)の徹底

行政のあらゆるサービスをデジタルで完結できるようにする

2.一元的なプロジェクト管理の強化等

デジタル庁の設置も見据え、すべての政府情報システムについて、予算要求前から執行までの各段階における一元的なプロジェクト管理を強化

3.国・地方デジタル化指針

ワンス・オンリー実現のため、社会保障・税・災害の3分野以外での情報連携やプッシュ通知、情報連携アーキテクチャの抜本的見直し、マイナンバーカード機能のスマートフォン搭載、電子証明書の暗証番号再設定等を郵便局でも可能に、個人情報保護法制の見直し、戸籍の読み仮名の法制化など

4.行政手続のデジタル化、ワンストップサービス推進等

書面・押印・対面の見直しに伴う行政手続のオンライン化推進、企業が行う従業員の社会保険・税や法人設立の手続のワンストップサービス推進、法人デジタルプラットフォームの機能拡充による法人等の手続の利便性向上など

5.デジタルデバイド対策・広報等の実施

SNS・動画等によるわかりやすい広報・国民参加型イベントの実施など

6.デジタル・ガバメント実現のための基盤の整備

クラウドサービスの利用検討の徹底、セキュリティ評価制度(ISMAP)の推進、情報セキュリティ対策の徹底・個人情報の保護、業務継続性の確保など

7.地方公共団体におけるデジタル・ガバメントの推進

自治体の業務システムの標準化・共通化の加速、マイナポータルの活用等により地方公共団体の行政手続のオンライン化推進など

社会保険労務士 柳田 恵一